捲座(まきざ)とはケージを昇降させ る巻揚機がある施設の総称です。巻胴(
巨大な鉄製ドラム)に巻き付けられたワ イヤーロープが坑道に入坑する鉱員達の 命を守ってきました。
  捲座の建物は煉瓦造りのものが多く、 端島炭鉱では昭和10年(1935)に 閉鎖された第三竪坑の捲座(画像下左) が煉瓦造りでしたが、竪坑の廃坑後資材 事務所に転用され、現在も壁面の一部が 残っています。第四竪坑の捲座(画像右
)は煉瓦とコンクリート製でした。天井 が抜けているものの、現在も当時の面影 を色濃く残した形で残存しています。
  またメインの第二竪坑の捲座(画像下 右)はコンクリートにトタンばりの上屋 が乗っかったものでした。
  因みに巻揚機を動かす動力は一と旧二 及び三が蒸気、新二と四が電気でした。


第四竪坑捲座跡。赤い煉瓦が緑に映えます



閉山時は資材事務所に転用されていた旧第三竪坑捲座跡


南部方面に残る最も規模の大きい第二竪坑捲座跡


捲座は煉瓦造のものが多く、内部の巻揚機と共に参考として現存する他炭鉱の幾つかを紹介します。



三井三池炭鉱万田坑第二竪坑捲座(熊本)
炭鉱施設としては国内唯一重要文化財に指定され
ているため、捲座施設は特に綺麗な状態で保存さ
れています。


三菱崎戸炭鉱福浦坑捲座(長崎)
現在では端島同様屋根が落ち、内部は植物の楽園と
化しています。



三井三池炭鉱万田坑人員用巻揚機(熊本)
この巻き上げドラムは単胴式と呼ばれるものですが
端島は二坑、四坑ともにこの単胴式ドラムでした。


池島炭鉱斜坑本一卸巻揚機(長崎)
池島炭鉱は長崎炭鉱技術センターとして稼働してい
るため、巻揚機もきれいに塗装されています。

 
▲ page top

黒ダイヤのトンネル

プロローグ

■端島炭鉱沿革■

沿革

■主要施設■

鉱業所全景 坑道 竪坑 捲座 選炭施設 貯炭ベルトコンベア 換気施設 動力施設 硬(ぼた)

■周辺関連炭鉱■

<図>周辺地図 中ノ島炭鉱 三ツ瀬 高島炭鉱 横島炭鉱 崎戸炭鉱 池島炭鉱

■鉱業所のデザイン■

様々なデザイン