長崎県の東シナ海側の海底には元来良質な石炭が多量に眠り、端島に限らず周辺の多くの島は20世紀、石炭の採掘基地としての役割を 担い、多くの採掘従事者で賑わいました。現在では平成13年(2002)に閉山しながらも、海外の研修生のうけいれにより稼働してい る池島炭鉱を除き、総ての炭鉱が閉山しその施設も殆どが解体撤去されています。
  以下の項目では特に端島炭鉱と関連の深い幾つかの炭鉱跡を取り上げます。
  端島の南海上約4キロの洋上に浮かぶ三ツ瀬は、炭鉱基地としての機能はありませんでしたが、昭和39年(1964)に起きた坑内火 災によって端島坑を放棄して以来、端島炭鉱のメイン採掘地域としての役割を閉山まで担った地域でした。また端島の北約700mに浮か ぶ中ノ島は、かつて明治年間に端島同様護岸築堤による半人工石炭採掘島として稼働しながらも、坑内の湧き水の多さに短命に終わった炭 鉱跡です。さらに海上約2.5キロ北にある高島は端島とは兄弟関係のような炭鉱島で、最盛期には竪坑2本、斜坑2本、鉄筋アパート5 8棟−1,898世帯を有する大規模な炭鉱島でした。また更に海上4キロの洋上に浮かぶ、現在では岩礁としか見えない横島も、かつて は中ノ島同様護岸拡張による半人工島として石炭の採掘拠点でしたが、こちらは石炭の質の悪さと度重なる断層の遭遇により、やはり短命 に終わります。長崎県のほぼ真中にある大村湾の北端に近い外海側にある蛎浦島にあった崎戸炭鉱は、かつては出炭量日本一を誇ったこと もある、国内でも有数の炭鉱でした。そしてこれらの炭鉱はいずれも端島と同じ三菱の経営下にある炭鉱でした。
  池島炭鉱は三菱の経営ではありませんでしたが、現在でも炭鉱の生きた姿を観ることができる数少ない炭鉱なので、敢えてこの項目で取 り上げました。

 
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黒ダイヤのトンネル

プロローグ

■端島炭鉱沿革■

沿革

■主要施設■

鉱業所全景 坑道 竪坑 捲座 選炭施設 貯炭ベルトコンベア 換気施設 動力施設 硬(ぼた)

■周辺関連炭鉱■

<図>周辺地図 中ノ島炭鉱 三ツ瀬 高島炭鉱 横島炭鉱 崎戸炭鉱 池島炭鉱

■鉱業所のデザイン■

様々なデザイン