高台に立つ昭和25年(1950) に建設された高級職員アパート(2号 棟)は、いろいろな意味でそれまでの 島内の建物を一新し、閉山まで造られ るアパート群の規範的な形になると同 時に、昭和30年代に公団住宅によっ て普及するアパートの先駆的なもので もありました。
  外階段はなく、各居室からの階段踊 り場へは1箇所で接し、1棟独立して 建てられています。これによってそれ までの島内の建物にあった、階段・廊 下・屋上は公共的スペースという造り ではなくなり、現在のアパートへ繋が る構造を持ち始めています。
  また玄関の土間も靴を脱ぐための最 小限のスペースになり、かつてあった

居室との段差も殆ど無くなっています。

扉も防火用鉄扉になり、もはや長屋的 な面影はなくなりました。
 
2号棟

 

コンクリートの森

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