■ 神社 ■
端島炭鉱の守り神、<端島神社>(1号棟)は岩礁の北寄りの頂
上部にありました。岩盤からさらに高くRCの人工地盤を造り、そ
の上に建立されていた神社で、毎年4月3日の山神祭の時に、大き
な御輿が担ぎ降ろされる様子が当時の写真に残っています。また人
工地盤の敷地は、その見晴らしの良さから展望テラスとしても使わ
れ、島民の憩いの場でもありました。
現在では手前の拝殿が完全に崩壊し、奥に位置していた神殿だけ
が今も島の安全を見守り続けている他、テラス内の忠魂碑、戦没慰
霊碑が操業時のまま残存しています。
神殿は画像だと小さく見えますが、約4.5mの高さがあり、手
前の鳥居と比べるとその大きさが多少は感じられると思います。
1号棟
■ 寺院 ■
<泉福寺>(23号棟)は大正10年(1921)に建てられた
島内唯一の仏教寺院です。宗派は禅宗でしたが、それを越えて法事
を行ったので、島民からは「全宗」といわれたそうです。
島内で亡くなった人々の多くは郷里に帰り埋葬されましたが、無
縁仏は隣の中ノ島で火葬された後、中ノ島の共同墓地に埋葬されま
した。
木造なため、現在では建物は総て崩壊し、当時寺の玄関口に鎮座
していた地蔵尊だけがいまも同じ位置に残存していますが、積年の
風雨に晒され、だいぶ細身になっている姿は、まるでこの島と共に
入定するかのようです。
23号棟