RCアパートに設置された居室は、1
棟(30号棟)を除いて総て2室以上+
台所という造りでした。『軍艦島実測調
査資料集』によると、一家族が使用して
いた面積は、半共有スペースを含めると
かなり広いもので、当時の東京の一家庭
の使用面積を遙かに上回るものだったそ
うです。
更に昭和39年の坑内爆発により約1
年の休坑を余儀なくされた島内にはリス
トラの荒らしが吹き荒れ、この時期2,
000人近くが離島していきましたが、
このことが住宅問題に関してだけは好転
させ、その後閉山までに、隣の居室と合
体させた2室分のスペースを一件で使用
しているところも多くありました。
また玄関の扉は、古い時代のものには木製のものが使われましたが、戦後は防火対策を含めて、鉄製の扉に変わっていきます。画像は島 内最大の建物(65号棟)の旧棟の木製扉(左)と新棟の鉄製扉(右)です。扉だけに限らず、周囲の作りや廊下の雰囲気など、随分異な るのがわかります。